サスケが里を抜け、エロ仙人こと三忍の一人、自来也と共に木ノ葉の里を出て修行の旅に出てから早1年が過ぎようとしていた。
昼間はまだ名残のような残暑が残るものの、季節の風はすっかりと秋に変わっていた。
「久し振りだってばよ…!」
久し振りの里の唯一の出入口となっている大門の前に立ったナルトは感慨深げに見上げた。
一年前に比べると相変わらずのドタバタ振りの煩さは変わらないが、それでも過ぎた時間を示すように多少は背丈が伸び、声も変わり、少しは男らしくなった愛弟子を自来也は口の端で愛しげに笑った。
「エロ仙人…、じゃなかった。お師匠様ァ。綱手ばあちゃんの所に行く前に、ちょ〜ォッと行きたい場所があるってばよぉン。」
不意にナルトは変化した。
もちろん、変化した姿は萌え要素満載の絶対領域があるオーバーニーソックスを穿いているフリルたっぷりのメイド姿の女の子である。
抜群のプロポーションを誇示するように張りのある豊かな胸をわざと自来也の腕に押し付け、上目遣いに舌っ足らずにお願いする。
当然、ソレがナルトだと解っていても真性スケベの自来也は簡単にナルトのお願いを聞いてしまう。
「っぅことで、3時間後に火影執務室で会うってばよ!」
ナルトは鼻の下を伸ばすだけ伸ばした自来也のYESとの言葉をさっさと聞き出すと用は無いとばかりに駆出した。
本来ならばこのまま五代目火影・綱手の所に直行である。道草など許されるはずはない。
だが、どうしても行きたい場所があった。
一縷の望みに賭けて ―――――― …。
諦めることには慣れている。
傷付くことには慣れている。
絶望の底はどこだかを知っている。
絶望の底は何たるかを知っている。
〈他人〉に対して期待はしない。
〈他人〉に対して願いはしない。
それがこの里でただ一人きりで生きてきた己が得た防衛策。
それがこの里でただ一人きりで生きてきた己が得た自衛策。
幼い己自身を護ってきたソレ。
幼い己自身を護るしかなかったソレ。
だから、何も求めない。
だから、何も願わない。
「好きだ…。」と己に告げたアイツの残滓など。
「好きだ…。」と己を捨てたアイツの想いなど。
求めれば己自身が傷付くだけ。
願うことは己自身が哀しむだけ。
だから、だから ――――――― …。
久し振りに己が住んでいたアパートのドアの前に立った。
相変わらずのボロアパートだが己にとってはありがたい自分の居場所である。
色々な〈想い〉と〈思い出〉が詰まっている、【場所】 …。
不意に記憶が溢れてきて、キュッと胎が痛くなる。
目の奥が熱くなって、胸が苦しくなる。
己にとってここは掛替えの無い【場所】なのだ。
感傷に耽りそうになる己を叱咤しながらナルトは鍵を開けた。
己にはのんびりとしている時間は無いのだ。
さっさと要件を済ませて綱手のばあちゃんの所に出向いて、あそこに行かなければならないのだ。
里を離れている間はイルカに部屋の管理を任せていた。
その為か窓を閉め切っていた気配は無く部屋の空気は淀んではない。
何時でも帰ってきてもいいようにきちんと整理され、掃除されていた。
余りにもきちんとされ過ぎていて多少、違和感を感じるが部屋の〈匂い〉は紛れも無く己のモノだと感じるとようやくホッと安堵の溜息を吐いた。
背中に馴染んだリュックを床に置くとデーブルの上に山となっている手紙の類を見付けた。
無差別にポスティングされるチラシの類は処分されているようだが手紙の類は勝手に捨てることは出来ずにそのままに溜められていた。
その中に埋もれるようにダンボール箱が一箱、あった。
大きさは40cm×30cm程。
トクン ―――――――― !
不意に胸が大きく高鳴った。
ダメだ! ダメだ! ダメだ!
ダメだ ―――――――― ァ!
悲鳴の様に自制を己に言い聞かせる。
期待してはダメだ。
願ってはダメだ。
望んではダメだ。
コレは違う ――――――― ッ!
なのに、己自身の〈想い〉が止められない。
〔結果〕は火を見るより明らかなのに、一縷の望みを捨て切れず、いまだに燻る〈想い〉を棄て切れずにいる。
苦しくて、苦しくて、苦しくて。
哀しくて、哀しくて、哀しくて。
辛くて、辛くて、辛くて。
《希望》を願って、縋って、
―――――――― …、望んでしまう。
震える手でそのダンボール箱を手に取った。
思いの他、軽いソレ。
差出人の名前には覚えは、無い。
そっと箱を振ってみるが微かに軽い音がする。
大きく深呼吸をすると覚悟を決めて、その箱を開けた。
絶望の底を突破るモノなのか?
《希望》に縋れるモノなのか?
「 ―――――――― ッ!!」
ソコにあったモノの姿を見て、ナルトの蒼瞳がこぼれんばかりに大きく見開かれた。
「はっ? なに……、コレ?」
ソレを見て、ナルトは驚きと戸惑いと大粒の涙をボロボロと零した。
コレは絶望の底を突破るモノなのか?
コレは《希望》に縋れるモノなのか?
「こんなモン、……いらねぇってばよ………。」
己が欲しかったモノはこんなモノではない。
己が願ったモノはこんなモノではない。
「バッカヤロ ――――――― ォ!」
ナルトは感情のままにソレを壁に投付けるとソレは壁にぶつかってぽすんと床に落ちた。
ソレは【人形】だった。
そのモデルとなっている人物の特徴が良く出ている手作りの【人形】。
己との【約束】のモノ。
「今頃……、こんなモン…もらったって………、いらないってばよ…!」
胸のつかえを吐き出すように叫んだ。
「俺が欲しかったのは、欲しかったのは…ッ!」
欲しかったモノは一つだけ。
願ったモノは一つだけ。
「サスケ ――――――― !」
1年振りにその名前を呼んだ。
サスケが己に【約束】をしてくれた。
「お前の誕生日までに、俺にそっくりな人形をプレゼントしてやるから喜べ!」
「 ――――――――― … (-_-;)」
このどこまでも俺様主義の唯我独尊を行く木ノ葉一のウスラトンカチは我らが上官、写輪眼のカカシを模して作った己の手作り人形に限り無いライバル心を燃やし、己自身の手で己そっくりな人形をくれると言うのだ。
そんなモノ、はっきり言って、
「要らないってばよ。」
人形よりサスケ本人がいいのだ。
サスケ本人が己の傍にいてくれればいいのだ。
そんな身代わりにもならないモノなど、必要無い。
欲しいモノは一つだけ ――――――― …。
ソレさえあれば、何も要らない。
ソレさえあれば、何も望まない。
ソレさえあれば、何も願わない。
ソレさえあれば、ソレだけで、いい ―――――――― …。
ようやく手に入れたモノ。
何も持たない己が唯一つ、持っていたモノ。
ソレだけは手放すことなく持っていてもいいと思っていた、モノ。
ソレだけは己が信じて、願って、求めて、乞うたモノ。
「サスケ……、どうして?」
何故 ――――――― ?
どうして ――――――― ?
怨嗟にも似た疑問。
「好きだ………。」
そう言ったのはサスケだった。
「お前の傍にいてやる。」
そう言ったのはサスケだった。
「ナルト ――――――― …。」
抱締めて、キスして、身体をつなげて、心を重ねたのに、サスケはいない。
己の前から消えた。
己の傍から居なくなった。
「こんなの、サスケじゃないってばよ!」
欲しいモノは一つだけ ――――――― …。
ソレさえあれば、何も要らない。
ソレさえあれば、何も望まない。
ソレさえあれば、何も願わない。
ソレさえあれば、ソレだけで、いい ―――――――― …。
心の中にぽっかり空いた大きな穴。
それを埋めるかの様に縋り付く様にサスケによく似た人形を掻き抱いた。
「 ――――――――― ッ!」
今まで、涙の一つも零れなかった。
慣れていたから。
裏切られることに ――――――― …。
解っていたから。
己の愚かさを ――――――― …。
願ってしまったから。
その結末は解っていたはずなのに ――――――― …。
乞い求めてしまったから。
禁忌を犯した己への【罰】 ―――――― …。
『泣く』ことも許されぬ己への【罪】。
その大罪を犯してしまった己をサスケは【赦して】くれると言う…。
「サスケ…。」
残り香のように感じるサスケの温もり。
「サスケ……。」
己が知っているサスケの優しさ。
「サスケ………。」
己が識っているサスケのチャクラ。
不意に〔サスケ〕が告げる。
『……………………。』と。
「ウソ……、だってばよ?」
その言葉に信じられないとナルトは首を横に振った。
『……………………。』と。
繰返す言葉にナルトは思わず呆れて哂ってしまった。
本当にコイツは唯我独尊を突っ走る俺様だと今更ながらに呆れ果ててしまう。
今更、どの面を下げてそのような言葉を言えるのか不思議にすら思う。
『……………………。』と。
信じない。
信じられない。
願わない。
願ってはいけない。
期待しない。
期待してはいけない。
待たない。
待ってはいけない。
求めない。
求めてはいけない。
それなのに、己はまだ、
――――――――― … 想っている。
「………………………。」と。
もう一度、【サスケ】を抱締めて想いを確かめる。
己自身の想いを。
サスケの想いを。
「大丈夫だってばよ…。」
己自身に言い聞かす。
サスケに言い聞かす。
手放してしまいそうになる【絆】。
それを離すまいとするようにソレを強く強く抱締めた。
抱締めて、改めて己の想いを噛締める ―――――――― …。
己のなすべきことを。
己のなすべきものを。
己のなすべき道を。
己のなすべき想いを。
揺ぎ無いそれらを真っ直ぐに見据え、もう一度、抱締める。
祈りはしない。
願いはしない。
乞いはしない。
欲しいモノは己自身の手で奪い取る!
欲しいモノは己自身の手で奪い返す!
欲しいモノは己自身の手で呼び戻す!
絶対に ――――――― !
己の大切な《モノ》。
木ノ葉の隠れ里下忍第七小隊、部隊長はたけカカシ・うずまきナルト・うちはサスケ・春野サクラの集合写真。
たった一枚の確かなる【証】。
帰って来た時に渡す、〈忘れて〉いった木ノ葉の【証】。
それらを送り付けて来たヌイグルミに持たせて、そっと机の上に飾った。
「行って、来るってばよ…。」
次にここに戻ってくる時は一人ではない。
次にここに戻ってくる時は二人一緒だ。
今は己自身がやるべきことをする!
それは決して己自身が望んで背負った【あがない】ではないけれど、それがこの里が受けた深い怨嗟の〔傷〕を少しでも癒せることであるのならば、己は喜んで〈贄〉にとなろう……。
何時か、何時の日にか、鎮魂に憂える里の中であっても己の生誕を祝ってくれるまで、己は〈贄〉であり続けよう……。
それが己に課せられた《役目》なのだから………。
お粗末さまでした(T_T)
ゴメンなさい(>_<)
ナルトのBD話を書こうとして、ものの見事に失敗しました(T_T)
本編書かずにいきなりエピソードを書いたから全然話の内容が解らん……(ーー;)
簡単に言えば、ナルトに未練た〜ァッぷりなサスケがナルトに約束したプレゼントをした、と言う話です………(-_-;)
コレで、お解かりでしょうか(?_?)
重ね言葉でチョット遊んでみました…(~_~;)
ヴ〜〜〜ン、修行が足りない!
難しいです。重ね言葉……。
センター文章にすると稚拙さが丸見え……(ToT)
誰か重ね言葉での文章の書き方、本気で教えて下さい ―――――― !
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