子供の頃、駄菓子屋さんで買ったブーメランを投げて遊んでいた憶えが、かすかにあるけれど、たぶんそれは戻ってこなかったのだろう。もし、戻ってきたのであれば、鮮明な記憶となって、残っているはずだから、、、。
1998年の5月、僕は仕事でオーストラリアのシドニーにいた。その3年前、1ヶ月程オーストラリアを旅行した時に、ダンカンさんのブーメランスクールを見つけていたのだが、その時は店をのぞいただけで、ブーメランは投げなかった。
だから、僕のブーメラン初体験は1998年の5月ということになる。それは、ダンカンさんの、この一言によって導かれた。
「たとえ雨が降っても、俺は待っているからな、、、」
そして、その日は雨だった、、、行こうか、それとも、やめようか迷ったのだが、ダンカンさんが公園に一人でポッンといる姿を想像してしまい、結局行くことにしたのだ。
公園へ着く頃には、雨はあがっており、ダンカンさんは一人ベンチに座っていた。
投げ方の説明を受けたあと、「じゃあ、投げてみろ」と言われ、とにかく全力で投げてみた。ぐんぐん飛んでいったブーメランは、どんどん自分の方へ戻ってくる。「よし、とれ!」とダンカンさんが叫び、僕もキャッチにいったのだが、手に当てて落としてしまった。
正直言って、戻ってくるとは思っていなかったので本当に驚いてしまい、しばらく呆然としていたのだが、「よし、もう一度」とのダンカンさんの声で我に返った。そして、それからの僕は、子供に戻ってしまった。
投げては走り、走っては投げた。そして、ついにキャッチした。「よっしゃー!」と僕は叫んだ。
気が付くと、僕は泥まみれになっていた、、、。
毎週日曜日、僕が初めてブーメランを投げたこの公園で、ダンカンさんは、ブーメランの投げ方を教えている。僕はシドニーへ行くたびに、このブーメランスクールに参加し、仕事のストレスを解消している。
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